アニメエイガ妄想駄文

アニメや映画について思ったことを書いていく予定です。

目が覚めたら腕が三本になっていた男の物語、ではなく『掟上今日子の備忘録』についての妄想。

 特殊な能力を持つもの、特別な境遇にあるものが活躍する様を古今東西の物語の中に見つけることができる。

 それは神からの啓示を受けた者についての物語であったり、超人的力を持つが故に始まる物語であったり、目が覚めてたら巨大な虫になった者の物語であったりと様々だ。

 そういった物語は、キャラクターたちの持つ特殊な資質や境遇についてではなく、その特殊な資質や境遇のためにキャラクターに何が起こるのかを描いている。

 

 もし、目が覚めたら腕が三本になっていた男の物語を書くのなら、その物語はよけいな腕があったためにその男に何が起こったかということになるべきです。なぜよけいな腕があるかということを正当化する必要はないはずです。それが前提なのです。――『レイモンド・チャンドラー語る』190~191p

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 秋から放送されている、西尾維新原作のドラマ『掟上今日子の備忘録』を見ていると、引用したチャンドラーの言葉を思い出す。本当は、面白い作品を見る度に思い出す言葉だ。今回も感想を兼ねて、キャラクターが持つ特殊な力や境遇によって何が起こるのかを少しだけ妄想していきます。

 このドラマの主人公の一人である掟上今日子は、眠ると記憶がリセットされてしまうという特殊な体質を持つ探偵だ。もう一人の主人公は、とことん運がなくいつも事件に巻き込まれてしまう青年、隠館厄介。

 素晴らしく運のない厄介くんが巻き込まれるさまざま事件を、今日子さんがたった一日で解決していくというストーリーだ。(「名は体を表す」なんていうが、この二人はほんとうにいい名前)。

 

 第1話では、今日子さんと厄介くんの最初の一期一会が描かれる。犯人の策略で今日子さんが疑似的に殺されたりもするが、事件は無事解決。そう思っていると厄介くんは再び別の事件に巻き込まれてしまう。再び助けられる厄介くん。事件を通して、なんだかんだでいい雰囲気になる二人。事件は無事終わり、立ち去ろうとする今日子さんに厄介くんはまた依頼をしたいと伝え、彼女はそれを快く了承する。

 そうして一日が終わる。厄介くんの思いは一つ積みあげられ、今日子さんの記憶は綺麗にさっぱり忘却する。

 

 第2話では、記憶がリセットされ厄介くんを忘れた今日子さんの前に、第1話の厄介くんと同じような境遇の青年が登場する。なにやらいい雰囲気の二人に、やきもきする厄介くん。当然、今日子さんは厄介くんのことを忘れてしまっている。それどころか、自分がその事件の殺人犯として手配されてしまい、今日子さんにも疑われる始末。それでも厄介くんは今日子さんのあきらめきれずに…。 

 といった具合に、今日子さんの記憶は毎回リセットされ、厄介くんも毎回事件に巻き込まれる。その設定が現実的かどうかはどうでもいい。大事なのは、そのことで彼女と彼がどう行動していくかということだ。

   と、三本の腕があったために何が起きるかといった話を、記憶が一日しか持てないならどうなるのかということになるかについて置き換えただけの話でした。

  『掟上今日子の備忘録』、毎話一日で事件を解決するミステリーのストーリーと、「 今日子さんのリセットされる記憶」と「厄介くんの積み重なっていく思い」によって生まれる物語全体を通したラブストーリー、という二つのストーリーある。今回あれこれと書いたのはラブストーリーの側についての妄想でした。

  

起承転結の起しかないような内容の文になってしまって残念だ。書いていくと、なにを伝えたいのかよくわからなくなっていくという、自分の稚拙さには参った。記事をもっと書いて、文章の組み立てかたを鍛えていこう。