アニメエイガ妄想駄文

アニメや映画について思ったことを書いていく予定です。

完全POV映画『ハードコア』公開! POVミニ特集!

《POV

映画の撮影用語。「POVショット」とも。

「Point of View Shot」の略で、日本では視点ショット、主観ショットなどと訳される。

カメラの視線と登場人物の視線を一致させるようなカメラワークを指し、映画に限らず、アニメーションや漫画などでも演出用語として用いることができる。》
はてなキーワードより引用

 

ということで、POVとは主観視点の映像ということです。
なんで突然POVの引用をしたかというと、これです。

全編完全POVアクション映画、イリヤ・ナイシュラー監督作品『ハードコア』(原題『HARDCORE HENRY』が公開したからです!

こちらが『ハードコア』のPV
「Hardcore Henry | Official Trailer | Own It Now on Digital HD, Blu-ray & DVD」
Hardcore Henry | Official Trailer | Own It Now on Digital HD, Blu-ray & DVD - YouTube
大迫力でノリノリの暴力満載POV動画でしたね。
本編もノリノリで殺しまくります。もう凄いです。爽快感抜群に殺しまくりです。
それにしてもずっと主観視点で退屈しないのか?
酔わないのか?
そんな不安を感じる方もいるかもしれませんが、
大丈夫です!
退屈する暇など一秒もないシナリオとアクション、酔わないように緻密に作られた映像があなたを待っていることをお約束します。

 

ということでPOV動画をちょっぴり紹介です!
まずは『ハードコア』の原作とも言える、ナイシュラー監督のミュージックビデオ
「Biting Elbows - 'Bad Motherfucker' Official Music Video」
Biting Elbows - 'Bad Motherfucker' Official Music Video - YouTube
この動画が大ブレイクしたことがきっかけで『ハードコア』の企画が始まったそうです。
『ハードコア』ができた経緯を詳しく知りたい人はパンフレットをチャックです!

 

お次も超絶アクション、超絶クオリティのPOV動画の紹介です
大人気FPSシリーズCoDの第11作目、ゲーム『Call of Duty: Advanced Warfare(コール オブ デューティ アドバンスド・ウォーフェア)』の実写トレーラー。『ローン・サバイバー』『バーニング・オーシャン』のピーター・バーグ監督作品。
Call of Duty: Advanced Warfare - Live Action Trailer [HD 1080]

Call of Duty: Advanced Warfare - Live Action Trailer [HD 1080P] - YouTube
おバカさと爽快感が全開です。ゲーム本編でも活躍するエグゾスーツ(強化外骨格)を身にまとった主人公たちが大暴れ。最高です。愛しております。

 

そして最後に紹介するのはPS4用ソフト『GRAVITY DAZE 2/重力的眩暈完結編:上層への帰還の果て、彼女の内宇宙に収斂した選択』の実写トレーラー、
柳沢翔監督の『GRAVITY CAT 重力的眩暈子猫編』です。
「#重力猫『GRAVITY CAT / 重力的眩暈子猫編』presented by GRAVITY DAZE 2」

#重力猫『GRAVITY CAT / 重力的眩暈子猫編』presented by GRAVITY DAZE 2 - YouTube
重力を操作するゲームのトレーラーだけあって、もうニュートン先生もびっくりの映像になっております。
そして猫ちゃんがもうね、あざとさ満開。それがいい。かわいいが溢れる。可愛いは正義です。

いやーどれも素晴らしい映像、楽しい動画でしたね
VRが普及し始めたことでこういった映像作品がもっと増えてくるはず!
いまからがとても楽しみなジャンル、POV動画の紹介をお送りしました。

目が覚めたら腕が三本になっていた男の物語、ではなく『掟上今日子の備忘録』についての妄想。

 特殊な能力を持つもの、特別な境遇にあるものが活躍する様を古今東西の物語の中に見つけることができる。

 それは神からの啓示を受けた者についての物語であったり、超人的力を持つが故に始まる物語であったり、目が覚めてたら巨大な虫になった者の物語であったりと様々だ。

 そういった物語は、キャラクターたちの持つ特殊な資質や境遇についてではなく、その特殊な資質や境遇のためにキャラクターに何が起こるのかを描いている。

 

 もし、目が覚めたら腕が三本になっていた男の物語を書くのなら、その物語はよけいな腕があったためにその男に何が起こったかということになるべきです。なぜよけいな腕があるかということを正当化する必要はないはずです。それが前提なのです。――『レイモンド・チャンドラー語る』190~191p

www.amazon.co.jp 

 秋から放送されている、西尾維新原作のドラマ『掟上今日子の備忘録』を見ていると、引用したチャンドラーの言葉を思い出す。本当は、面白い作品を見る度に思い出す言葉だ。今回も感想を兼ねて、キャラクターが持つ特殊な力や境遇によって何が起こるのかを少しだけ妄想していきます。

 このドラマの主人公の一人である掟上今日子は、眠ると記憶がリセットされてしまうという特殊な体質を持つ探偵だ。もう一人の主人公は、とことん運がなくいつも事件に巻き込まれてしまう青年、隠館厄介。

 素晴らしく運のない厄介くんが巻き込まれるさまざま事件を、今日子さんがたった一日で解決していくというストーリーだ。(「名は体を表す」なんていうが、この二人はほんとうにいい名前)。

 

 第1話では、今日子さんと厄介くんの最初の一期一会が描かれる。犯人の策略で今日子さんが疑似的に殺されたりもするが、事件は無事解決。そう思っていると厄介くんは再び別の事件に巻き込まれてしまう。再び助けられる厄介くん。事件を通して、なんだかんだでいい雰囲気になる二人。事件は無事終わり、立ち去ろうとする今日子さんに厄介くんはまた依頼をしたいと伝え、彼女はそれを快く了承する。

 そうして一日が終わる。厄介くんの思いは一つ積みあげられ、今日子さんの記憶は綺麗にさっぱり忘却する。

 

 第2話では、記憶がリセットされ厄介くんを忘れた今日子さんの前に、第1話の厄介くんと同じような境遇の青年が登場する。なにやらいい雰囲気の二人に、やきもきする厄介くん。当然、今日子さんは厄介くんのことを忘れてしまっている。それどころか、自分がその事件の殺人犯として手配されてしまい、今日子さんにも疑われる始末。それでも厄介くんは今日子さんのあきらめきれずに…。 

 といった具合に、今日子さんの記憶は毎回リセットされ、厄介くんも毎回事件に巻き込まれる。その設定が現実的かどうかはどうでもいい。大事なのは、そのことで彼女と彼がどう行動していくかということだ。

   と、三本の腕があったために何が起きるかといった話を、記憶が一日しか持てないならどうなるのかということになるかについて置き換えただけの話でした。

  『掟上今日子の備忘録』、毎話一日で事件を解決するミステリーのストーリーと、「 今日子さんのリセットされる記憶」と「厄介くんの積み重なっていく思い」によって生まれる物語全体を通したラブストーリー、という二つのストーリーある。今回あれこれと書いたのはラブストーリーの側についての妄想でした。

  

起承転結の起しかないような内容の文になってしまって残念だ。書いていくと、なにを伝えたいのかよくわからなくなっていくという、自分の稚拙さには参った。記事をもっと書いて、文章の組み立てかたを鍛えていこう。

 

 

 

 

 

『キルラキル』『ニンジャスレイヤー』などの復讐劇の展開、というか主人公の条件についての妄想

「ニンジャスレイヤー」で思い出したことが少し。

 ニンジャスレイヤーの主人公、フジキド・ケンジは妻子の仇を討つために戦う。

 そのために彼は容赦なく敵を殺していく。復讐者だ。

 主人公が復讐者といえば、トリガーのアニメ『キルラキル』の主人公、纏 流子(まとい りゅうこ)もそうだった。父親の仇を探して一人、謎の学園、本能寺学園を訪れるところから物語は始まる。 

 『キルラキル』と『ニンジャスレイヤー』、の主人公たちは復讐という、ある種マイナスの動機を持って物語を進んでいく。

 

 この主人公たちは、復讐を果たすために律儀に真面目に復讐をしていく。この二つの物語、仇は理不尽な体制側の人間だ。復讐するために強大な体制に盾つくことになる。

 主人公は予期せず体制と向き合うことになる。ストーリーが進むと、主人公の戦いは単なる仇討という復讐を越え、唾棄すべき体制と搾取される弱者たちの対立を描き出す。

 主人公一個人の倒すべき仇だったものが、多くのものにとっても倒すベき敵になる。

 つまり〝殺しのライセンス〟が発行されるのだ。大義と言い換えてもいい。主人公の復讐が、個人の行動を越えたものになるのだ。

 復讐劇を果たすのは、主人公でなくてはならない。〝殺しのライセンス〟を与えられたのは主人公なのだから。最終的に、この大義を与えられる者こそが、主人公になるのだろう。

という妄想でした。

いざ秋アニメ!の前に『ニンジャスレイヤー フロムアニメイシヨン』を少し振り返る。

 

 『ニンジャスレイヤー フロムアニメイシヨン』とは、ブラッドレー・ボンドとフィリップ・ニンジャ・モーゼズのアメリカ人コンビのサイバーパンク小説「ニンジャスレイヤー」を、『キルラキル』を世に送り出したアニメ制作会社トリガーがアニメ化した作品だ。

 twitter上で連載という異色の連載形式。独特の文体に翻訳された「ニンジャスレイヤー」という作品は、その世界観も独特で、悪徳の支配する夜の街を〝ニンジャ〟と呼ばれる超人的存在が暗躍するというものだ。

 主人公は、ニンジャの抗争に巻き込まれ妻子を殺された男、フジキド・ケンジフジキドは妻子の仇を討つために自身もニンジャとなり、ニンジャの支配する世界に戦いを挑む、という復讐劇が物語りの主軸になる。

 あの『キルラキル』トリガー制作のアニメということで、大きく注目が集まり、アニメ本編の配信はインターネットのみという配信形態も珍しく目を引いた。

 そして、四月。いざ本編が公開されると、視聴者は驚かさることになった。

 

 崩壊したビルの内部。壁は崩れ去り、そこから夜の毒々しい色のネオンに照らされた街がのぞく。いたるところに瓦礫のあるフロアには異形の存在が一つ、ニンジャ。ニンジャの足元には、床に伏し今にも息絶えそうなスーツ姿の男が一人。死の淵にいる男をニンジャが嗤う。粘りつくような声で、お前の顔の皮を剥いでやる、と告げるのだった。

 と、「ニンジャスレイヤー」という残酷で異質な世界を見せるところから始まる。それはいいのだ。よくある張り手型、つまり印象的な場面からの始まり。問題なのはその表現方法だ。

 フラッシュなのだ。しかも、懐かしき4:3の画面サイズ

 緻密に描き込まれた背景を、人物の立ち絵がなんの動作もなくスィーっと画面を横切る。

 いったいなにが始まったのだ…。視聴した私の心中に、困惑としかいいようのないものが浮かんだのを覚えている。

 『キルラキル』のような圧倒的な描き込みや、動きのある演出を期待していた人も多かっただけに、そのあまりの突拍子のない――ある種手抜きとしか見えない――演出に、「期待していたものとは違う」というような内容の反応をtwitter上で見たのを記憶している。

 フラッシュからのわずかの間だが普通の動く絵になる。そして、すぐまたフラッシュに戻ったりと、これはもう普通のアニメではない。しかし、それでもどんな話かわかる。むしろ、しっかりと描写されているのだ。主人公の血塗られた復讐劇の始まりが。退廃的な世界が。ニンジャが。この『ニンジャスレイヤー フロムアニメイシヨン』という作品がどのようなものなか。

 それらを、わずか12分27秒に見事に凝縮された第一話だった。間違いなく春アニメの中で最も優れた第一話の一つだった。

 

 最終話である26話は10月8日が公開された。最後までフラッシュ演出は健在だった。